天候: (1日目)晴れ一時ガス (2日目)晴れ
利用交通機関:自家用車
ルート: 別当出合 →  三ツ谷 → 杉峠 → 三ノ峰避難小屋(泊) → 三ノ峰 → 別山 → (トンビ岩コース) → 室堂 → 白山御前峰往復 → 砂防新道 → 別当出合

別山~白山の稜線から
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京都北山から高島トレイル、湖北と進んでいくとその先は、ということで今年の夏山遠征は白山にしてみた。市ノ瀬からチブリ尾根で別山、南竜でテント泊して白山、釈迦新道で下山…と考えていたら、釈迦新道が通行止めだと知って直前でルート変更、三ノ峰からの縦走を考えた。おまけに、月曜日から夏休みをもらって行く予定だったのに仕事が片付かず火曜日からになったが、天候を考えるとこれが見事にハマった形になり素晴らしい一泊二日になった。



平日はマイカーで別当出合まで入れるので、帰りを楽にするためここに駐車(6:30)。初日はまず三ツ谷まで舗装路と林道を歩く。道沿いに色々な花が咲いているが、登山道に入るまでは脇目を振らずに進む。白山の他の登山道はしっかり案内標識があるが、こちらは林道入り口にも何もない。杉峠への登り口でようやく標識をみて安心する。別当出合から9km近く、実は水平距離だけで言うと初日の行程の半分が過ぎている。もちろん、ここからが本番。

お盆明けも車が多い別当出合駐車場
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クサボタン
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杉峠登山口
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避難小屋泊のつもりだが万一を考えてテントも持ってきたのでフル装備になる。二日目の中盤まで水場が無いので水も5L半ほど持ってきた。例によって38Lザックに無理矢理詰め込んだのでザックがパンパン。年に何回使うか分からないけど60Lクラスのザックが欲しいなあ。意識してゆっくり進む。植林の中を登っていくとじきにブナ林の尾根となる。

ノギラン
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ブナ林の尾根
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朝は曇り空で涼しいおかげで重い荷物も何とか担いで序盤の急登を終えた。別山展望所があるが生憎ガスに包まれている。尾根の反対側を見ると赤兎山だろうか、まだまだ高く聳えて見える。晴れ間が広がってきて、じわじわ暑くなってきた。小さな沢をいくつか横切って杉峠に到着、11時過ぎなので昼食にする。

赤兎山方面
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杉峠で昼食
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杉峠からしばらくは見通しの悪い単調な景色の中ゆっくり標高を上げていくが、背の高いササのせいか蒸し暑く体力を奪われる。今年は特に暑さに体が適応できていない気がする。少し登るたびに風通しの良い場所で足を止めてクールダウンした。

南縦走路(銚子ヶ峰)方面
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上小池からの登山道が合流する六本檜では南側の展望が開けて視界一杯に夏の山の風景が広がった。同時に三ノ峰への急登も目に入ってきて、この調子で大丈夫か?と不安になる。

六本檜から
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三ノ峰への登り
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覚悟を決めて急登に取り掛かる。斜面はちょうど花盛りで、次から次に別の花が目に入ってくる。標高1600mあたりからガスに覆われたのが天の恵みで、直射日光を受けずに前半の登りをクリア。

ハクサンボウフウ?
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ハクサンフウロ
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ミヤマコゴメグサ
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一旦傾斜が落ち着いたところで一気にガスが晴れてきて、目指す三ノ峰の全容が目に入りテンションが上がる。ずっと続くお花畑の中、もう終わりが見えているので踏ん張って最後の急登をクリア。

三ノ峰(山頂は左のピーク)
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シモツケソウ
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登ってきた尾根
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タカネナデシコ
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避難小屋に到着すると誰もおらず、今日は貸し切りだった。テントなんか持ってこずにツエルトにしておけば良かった。荷物を置いて目と鼻の先の三ノ峰に登頂。別山もガスが取れて秀麗な姿を見せている。明日はあれを越えていくのか、と楽しみにして小屋へ戻った。カレーとラーメンの夕食を食べ、雲海の中の日没を見届けておやすみなさい。夜中に目を覚ますと満天の星空だった。

貸し切りの避難小屋
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三ノ峰山頂から別山を望む
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雲海サンセット
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二日目、夜明けとともに小屋を出発。泊りの登山で一番楽しみにしているのが早朝の稜線歩きだ。ひんやりした空気の中、朝日に陰影が浮かび上がる山肌を眺めながら別山を目指す。

雲海に浮かぶ穂高、乗鞍、御嶽
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別山への稜線
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一度標高を落とし、200m近く登り返すと平坦な草原に飛び出す。正面に別山がドンと立ちはだかっている。大トリの白山も初めて目に入ってきた。

別山平
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御手洗池と別山
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タカネマツムシソウ
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一頑張りで別山の山頂に立つ。先客が一人、チブリ尾根の避難小屋からだろうか。360度の大展望が広がっている。気を抜くといくらでも休憩してしまいそう、先は長いのでゆっくり歩きだす。

別山山頂から白山
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三ノ峰を振り返る
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陽が高くなるにつれて風が無いと暑くなってきた。この先しばらく斜面の東側をトラバースするのでなおさらだ。花は相変わらず沢山咲いている。もう終わっているかなと思っていたニッコウキスゲに出会えたのが一番の収穫だった。

北アルプス槍穂高をズーム
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ミヤマリンドウ
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カライトソウ
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ニッコウキスゲ
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油坂の頭から南竜馬場まで、一つ谷を越える必要がある。いい加減体が火照っているので降りた先の沢水を浴びる。南竜小屋やテント場は流域になっていないようなので水を補給、冷たい水を飲んで生き返った。

沢で給水
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高原的な南竜馬場に登り返し、トンビ岩コースから室堂を目指す。ここが今回の全行程で一番しんどかったところで、50mほど登るたびに足が止まってしまい引き返そうかと思ったぐらい。

南竜馬場
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きつかった室堂への登り
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トンビ岩を過ぎると平坦な室堂平に辿り着き安堵する。いよいよ白山の山頂が目の前だ。室堂で昼食にし、鳥居をくぐって御前峰を目指す。

室堂平
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いざ御前峰へ
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山頂まで250mほど、荷物を室堂にデポして貴重品にペットボトルとカメラだけ持って登ったら拍子抜けするほど楽だった。苦労した一番の理由は結局荷物の重さだったようだ。テント泊装備で登山する前に歩荷訓練でもやった方が良さそうだ。何はともあれ無事登頂、普段の登山スタイルはピークに立ったからと言って別に何もないが、今回は流石に感慨を覚えた。天気は快晴で展望は素晴らしいの一言。

白山御前峰 登頂
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池巡りは次の機会に
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別山
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御池巡りをする時間と体力は残っていないのでそのまま室堂に戻り、コーラを買って休憩。後は別当出合まで砂防新道で下山するだけ。弥陀ヶ原から白山に別れを告げ、これまた花盛りの別当谷上部を横切っていく。もう早く車に戻りたい一心でガンガン降りて行った。最後は吊り橋を渡って無事に帰ってきた。

ガスが上がってきた弥陀ヶ原
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白山見納め
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別当出合への吊り橋
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テントを担ぐならもう少し鍛えた方がいいという課題は残ったが、白山の魅力をたっぷり味わえた二日間になり、遠征は大成功に終わった。また来ます!

避難小屋から見た星空
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