尾根道、谷道、迷い道

京都北山メインの気ままな山歩きの記録です。 2018年12月以前の記録はヤマレコ https://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-193499-prof.html

先日、とある方(以下Tさん)からブログにメッセージを頂いた。生駒の山の登山道の整備をボランティアでやっている方で、一昨年の台風以後回復の気配がない京都北山の登山道の様子を見て力になりたいという思いを持たれたという。突然のことで、なぜ私に?とも思ったし、北山ではあまり至れり尽くせりの整備は好まれないだろうなあという考えもあって戸惑っていたが、場所によってはそうも言っていられないほどダメージが大きいのも事実、せっかくの機会なのでお願いしてみることにした。

重要な登山道なのに未だ通行に難儀するところ…というと雲ケ畑の直谷周辺が思い浮かぶ。実際に自分が見た倒木注意箇所をマークした地図をTさんに送付しておき、本日整備の下見で案内することになった。

直谷周辺倒木マップ(緑)
直谷倒木マップ


北大路のバス停にはこの時期珍しく大勢の登山者が並んでいて、後発の臨時タクシーになってしまった。Tさんは車で来られるものと思っていたら今日は同じバス利用だったようで、さらに2台ほど後のタクシーで到着された。林道を歩きながら話を聞くと、ヤマレコ経由で私のブログに辿り着いたそう。現在ヤマレコは実質引退しているようなものなので珍しいケース。北山はこの冬に雪の鞍馬山周辺を歩いただけだということで、そこから今回の整備作戦を提案されるのだから素晴らしいボランティア精神でいらっしゃる。

今日は直谷上流の細ヶ谷へ入り、小豆坂から滝谷峠を経て二ノ瀬ユリで下山する算段になった。Tさんはノコギリで登山道に飛び出た倒木や枯れ木の枝をどんどん取り払っていく。私自身は肝心な日にノコギリを忘れてしまったので、切り落とされた枝を脇へ放り投げるぐらいしかやっておらずお恥ずかしい限り。Tさんは大型のバールもお持ちで、これが大きめの杉の倒木を動かしたり意外と役立った。休憩に立ち寄った北山荘の手前の木橋は横に傾いていて二人とも足を滑らせてしまったので、平行にする作業にもバールが活躍した。

北山荘から
北山荘から


倒木の集中する箇所のうち、細ヶ谷入り口付近と小豆坂の滝谷峠側は処理できそうということだったが、小豆坂の細ヶ谷へ下りる側は無理という結論になった。ここは、元々の道より南の鞍部を登れば簡単に倒木地帯を迂回できる(上の地図の赤線)のでそこに道ができればと思う。滝谷峠の登り道は元々荒れ気味だったので心配していたが、倒木は峠の手前に少し見られるぐらいだった。

小豆坂の倒木迂回ルート
倒木迂回路

前半は霙が降る天気であったが午後には次第に晴れて二ノ瀬ユリを3時過ぎに下山した。Tさんは今日も直径20cmを超えるような杉の倒木にノコギリで挑むエネルギッシュな方であったが、3月にはチェーンソーも持参して大型の倒木も処理してくださるという。御助力に感謝いたします。

福寿草
福寿草


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天候:晴れ、積雪40cm程度(広河原)、80cm程度(ダンノ峠以降)
ルート:菅原 → ダンノ峠 → 四郎五郎峠 → 廃村八丁 → (往路を戻る) → 菅原
利用交通機関:京都バス32系統
出町柳駅前 (7:50) → 菅原 (9:37)
菅原 (17:25) → 出町柳駅前 (19:17)

週末には再び気温が上がる予報で、スノーシューを楽しむ機会は今日しかなさそうだということで北山に向かう。同じ考えだったようで今回もokaokaご夫妻と同じバスになった。今日は既にバス停に長蛇の列ができていて、この時期には珍しく臨時便が出ることになった。十数名の登山グループが2組と、広河原スキー場のお客さんがいるようだ。雲取山へ向かわれるご夫妻は花背高原前で下車、大グループと行き先が重なり苦笑いされていた。

菅原町
広河原菅原町


私の行き先はというと廃村八丁。大雪で全住民が離村したという経緯から、冬の姿もぜひ知っておきたいと思っていたので本日決行することにした。土曜日以降に大分雪が積もったようで別所町から雪国の風景が続く。菅原でバスを降り、ホトケ谷へ向かう。最後の民家から先の林道の積雪具合は去年来た時と同じぐらいに思える。膝まで沈むので少し歩いてすぐにスノーシューを装着した。

最後の民家からラッセル開始
林道始点


ダンノ峠への尾根ルートに取り付く。登り始めが傾斜がきつく負担も大きい。ダンノ峠までのラッセルがしんどいのは去年の品谷山で経験済みなので、ペースを落としてゆっくり登る。途中、右足がやけに沈むと思ったらスノーシューが脱落していた。10mほど戻って発見するが、意外に脱げた瞬間は気付かないものだと実感する。ユズリハが増えてくると傾斜も緩やかになり、再び斜度が増す前に右の谷へ逃げてジグザグに登る。ここが最大の踏ん張りどころで、1m近くなった積雪に四苦八苦。なんとか1時間ちょっとで峠に登りついた。


ダンノ峠
ダンノ峠


ダンノ峠を乗り越すと植林が雑木に変わり、これまでの苦労が報われる別天地のような光景が広がる。広い谷を雪が埋め尽くし、八丁川源流の小川が蛇行して流れている。青空の下、こんな場所を独り占めできるのだから贅沢だ。


雪原の景色を楽しむ
八丁川源流の雪原


八丁川源流の雪原


八丁川源流の雪原


開けた空間を終わりまで歩いて右岸の植林地の沢に入る。三分する沢の真ん中を詰めていくとすぐに四郎五郎峠に出る。峠は八丁側が急傾斜で要注意だ。帰りに苦労することが分かっているので、歩幅を小さくとって丁寧にトレースを付けて降りていく。最後は本来の道型が分からなくなったので自分で適当にジグを切って下りた。

四郎五郎峠
四郎五郎峠


四郎五郎谷に下りる
四郎五郎谷


四郎五郎谷ではトチの大木にご挨拶。無雪期なら簡単に歩ける平凡な植林の谷だが、両岸が岩で切り立ってくると「えらい所に来たな~」という気持ちになってくる。

四郎五郎谷の主
トチの大木


えらい所に来た
四郎五郎谷


四郎五郎谷


岩壁のつらら


雪を被った倒木に苦労しつつ進むと先が明るくなり、ようやく目的地に着いた。土蔵跡の広場には三角小屋が雪を被ってピラミッドのようになっている。記録的な暖冬の年、現代の登山装備で快晴の日に訪れても簡単とは言えない道のりだった。ここに住む人々にとって冬を越すことは命懸けだったに違いない。春の訪れがどれだけ待ち遠しかっただろう。

土蔵跡の広場に到着
三角小屋


土蔵跡の広場


土蔵跡の広場


お地蔵さんに挨拶しようとすると燭台しか見当たらず、おかしいと思ったが帰宅後に以前の写真を確認すると燭台とお地蔵さんは別のスペースにあり、お地蔵さんの方は完全に雪に埋もれていたのだと分かった。尾根の上のお宮さんはもう無いと小てつさんがおっしゃっていたと思うが、登ってみると確かに土台だけになっていた。物足りない感じがするが、お墓の方まで歩いて行く気力が無くて腹ごしらえの後往路を引き返す。

お宮さんの跡
お宮さん跡


四郎五郎峠の登りは自分の付けたトレースが威力を発揮した。たった一人分でも有難味がよく分かる。ここさえ越えればもうきつい場所はない。少し時間が余りそうなので雪原を気ままに散歩した。この谷は若い木が多いようだが、朽ちたモミの大木の近くにはオオモミジやブナなどの立派な木があって見応えがある。ここでしばらく腰を下ろして休憩した。


自分のトレースに助けられる
四郎五郎峠の登り


モミの枯れ木の広場
モミの枯木付近


雪原散策
雪原散策


陽も傾きかけたころダンノ峠に着き、後は一気に麓まで下山。バス停到着が17時過ぎで、湯を沸かして即席の味噌汁をすすったら丁度バスが来た。目的を達して心地よく疲れた一日だった。


夕暮れのダンノ峠
ダンノ峠
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天候:曇り時々雪、積雪10~30cm
ルート:花背高原前 → 寺山峠 → 一ノ谷  → 二ノ谷 → 雲取山 → ハタカリ峠 → (国体尾根900mピーク往復)→  寺山峠 → 花背高原前
利用交通機関:京都バス32系統
出町柳駅前 (7:50) → 花背高原前 (9:02)
別所上ノ町 (15:00) → 出町柳駅前 (16:15)

ようやく寒波到来。天気はあまり良くなさそうなので、奥山に突っ込むのはやめて雲取山にする。今日以外に機会はないかもしれないとスノーシューをザックに装着した。出町柳バス停ではokaokaご夫妻が先にバス待ちであった。山行でお目にかかるのは久しぶりだが、先月懇親会に呼んでいただいたのですぐの再会となる。大見尾根から寂光院へ向かわれるとのことで、花背峠でお別れした後花背高原前で下車。

花背高原前
花背高原前


林道の積雪はふかふかの10cmぐらいでスノーシューの出番はない。トレースはなく、私が一番乗りのようなのでちょっと嬉しい。沢の音と時々鳥の鳴き声だけが聞こえる植林の中を登っていく。雪が少ないので沢を離れてトラバース道になる地点もすぐに判別できる。35分ほどで峠にたどり着いた。

寺山峠
寺山峠


ルートは雪の状態次第で決めるつもりだった。第一候補は一ノ谷から雲取峠だったが、ここまで楽に来れるなら一ノ谷を下って二ノ谷を登り返そうと思いつく。峠から一ノ谷へ下りると風もなく静寂そのものだった。一ノ谷を二ノ谷出合まで下るのは初めてだが、緩やかな植林の谷で特に問題はなかった。渡渉箇所に丁寧にロープが渡してある。単調な景色に退屈し始めたところで二ノ谷出合に到着。

一ノ谷を下る
一ノ谷下流


二ノ谷出合
二ノ谷出合い


二ノ谷へ入ると徐々に植林が雑木に変わっていく。雲取山の登山道になっている三つの谷で一番美しい谷だと思う。雪の時期には初めてなのでゆっくり楽しみながら歩いた。

二ノ谷の雪景色を楽しむ

二ノ谷の風景

二ノ谷の風景

立命ワンゲル小屋から左俣へ入った後は少し斜度が増し、岩場を巻いていくところもあるが夏道通りに歩いていく。尾根の上の方は少しガスがかかっているようだ。少し開けた源頭部の空間から山頂へ這い上がる。山頂も三角点が見える程度の積雪。

山頂付近はガス気味
二ノ谷左俣

二ノ谷の源頭部
二ノ谷源頭部

雲取山 山頂
雲取山山頂


山頂で軽く食事をして雲取峠方面へ向かう。小ピークを一つ越え、雲取山北峰に立ち寄るが今日は全く展望なし。周囲は風が出てきて雪も舞い、寒々とした光景になってきた。下山は雲取峠から尾根道回りで寺山峠まで戻る。わずかに霧氷がついた雑木の尾根がハタカリ峠へ続いている。

雲取山北峰 展望なし
雲取山北峰

雪の雲取峠
雲取峠

ハタカリ峠への尾根
ハタカリ峠への尾根


このまま戻ると時間が余り過ぎるので、ハタカリ峠から北の国体尾根に寄り道することにした。北雲取山とも呼ばれる等高線900mのピークまで往復すればちょうど良い時間になるだろう。この区間も心地よい雑木林が続いている。雲取山の南側より雪深くなり30cmほどの積雪となった。青空こそないが、今日の登り始めに想像したより本格的な雪景色となっていて楽しい。

国体尾根を散歩
国体尾根

国体尾根


曲がりくねった尾根を進み、最後にひと頑張りして北雲取山のピークに立つ。今はマイナーなルートになっているが京都府山岳連盟が設置したプレートがあり、実際に登山コースとして利用されていた形跡が残っている。自分のトレースを引き返してハタカリ峠に戻る。

北雲取山(等高線900m)ピークを見上げる
北雲取山ピーク

ピークにあるプレート
北雲取山のプレート


ハタカリ峠で今日初めて登山者のトレースを見る。スノーシュー数名のもので、私と同じバスで下車したグループのものだと思われる。寺山峠まで、植林境界の尾根をトレースを追って歩く。トレースは尾根を忠実に辿っているが、京産大の凌雪荘の前を通るとショートカットになるので休憩ついでに寄っていくことにする。入り口のそばの小さな温度計は1度を指していた。

寺山峠への尾根
寺山峠への尾根

凌雪荘
凌雪荘


憎らしいことに山行も終盤になって曇り空が少し明るくなってきた。寺山峠手前で林道に下りるとわずかながら青空も見えた。このまま晴れていくのかと思いきや、トレースが賑やかになった寺山峠から花背高原前まで戻ってくると雪が降り始めた。どんどん強くなる雪の中を上ノ町まで歩いてバスに乗車。明日には積雪が増えているかもしれない。スノーシューの出番はなかったが、二ノ谷やハタカリ峠周辺など気に入っている場所の雪景色を堪能できたので満足だ。

大見尾根を望む
大見尾根遠望

晴れ間が覗く
寺山峠手前から

雪降る別所の里
雪降る別所の里


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